大騒ぎする男の子の話


先日の夜、帰宅しようと自宅のあるマンションの廊下を歩いていたら、子供のわめく声が聞こえていました。自分の部屋に入ってからもそのわめき声が続いていて、少し気になりましたので、私はスーツを普段着に着替えて、その声のする方向に行くことにしました。

あまり付き合いの少ない都心のマンションですが、引っ越しの時にご挨拶くらいはしてますし、なんとなくどんな人が住んでいるのかは分かります。声をたどっていくと、最初に予想した通りの部屋の前にたどり着きました。この部屋のお子さんはすごく活発で、いつも部屋の中で騒ぎまくっていて、うちの部屋までどしどし音が響いてきています。私にはうるさいなという気持ちはありませんでしたが、両親は苦労されているんだろうな~と思っていました。

その部屋の玄関ドアの前で私は中の様子をうかがっていました。子供は「中に入れろ~」と騒いでます。どうやら子供は玄関ドアと居間の間のホールに閉じ込められているようでした。時々、居間にいるお父さんがぼそぼそ諭す声が聞こえます。子供の声量は益々上がっていってましたが、一応双方で話し合っているようだし、殴り合いをしているわけでもないし、器物損壊の様子もありませんでした。

私は何よりも心配だったのです。子供が暴れてモノを壊しまくったりとか、親が感情的になって手を出したり、またはひどすぎるということでADHD(注意欠陥多動性障害という一種の精神病)などと診断されて薬漬けにされたり、はたまた虐待だということで児童相談所に連れていかれるというような、そんなことになってほしくなかったのです。

単に子供が騒いでいて、親がそれを諭している。親の苦労は計り知れないものがありますが、それも子育ての苦労の一つだったと何年か経って懐かしく振り返れる。そんな状態に収まってくれることを願っていました。もし、そういう状態を超えているのであれば、インターホンを鳴らして、何が起こってるのかお話を聞こうと思っていたのです(どうせ大した理由じゃないだろうし)。

結論的に、私はそのままドアの前に立ったまま、聞き耳を立てて事態を見守ることにしました。子供はずっと騒いでいましたが、お父さんは今日は許さないよというスタンスを変えませんでした。私としては「どっちも頑張れよ」というような気持ちになってきました。

しばらくして、事態が動き出しました。子供が警察か何かに行くとか言い出して、外に行くというのです。急にお母さんが登場して「服を着ていったほうがいいよ」とか言ってます。それで、ガチャガチャ鍵を開ける音がして、ドアが開いた瞬間、そこにいたのは素っ裸の男の子でした(笑)。寒い夜だったのに。(お風呂に入る前だったのか、お風呂から出た後だったのでしょう)

私と目が合った男の子は、すぐに引っ込んで「誰かいる」とお母さんに伝えました。お母さんが「誰?」と聞くと「知らない人」。でも、そんなやり取りをしながら男の子は急に我に返ったようで、次の瞬間に「もうしません」とお父さんにしんみり謝って、事態は収拾したのでした。(ほんと子供の気持ちの変化は早いですね)

私は安心して自分の部屋に戻りました。いや~子育てって大変だな~と思うと同時に、子育てをしている皆さんには感謝しなくちゃいけないし、地域社会全体で支えてあげないといけないなと思いました。

この男の子のことは、今後も個人的に注目していきます!




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